2022/01/27掲載
アジャンタ石窟とエローラ石窟の概要
インドで最高の仏教壁画が残るアジャンタ石窟。
紀元前200年頃から紀元後650年頃の造営とされているが、仏教の衰退とともに1819年に「発見」されるまで忘れ去られていた。
そのため、時を越えた素晴らしい壁画が残されている。
もう一つはエローラ石窟群。
古代三大宗教「仏教・ヒンドゥー教・ジャイナ教」の石窟寺院が一同に会する世界で唯一の場所。
6~10世紀にかけて開窟された、の石窟が互いに破壊し合うことなく、南北2Kmに及んで集結した大遺跡群です。
空港:オーランガバード空港
「チカルサーナ空港」とも呼ばれるこの空港、国内線のみが就航する空港で、市の中心部からは約10kmに位置している。
オーランガバードは、ムンバイの東約350kmに位置する高原の街で、空港の標高は約600m。
ムンバイからはエア・インディアが毎日1便、ジェットエアウェイズが毎日2便。
デリーからはエア・インディアが毎日1便就航している。
オーランガバードは古くから栄えた歴史ある街で、6世紀頃の仏教石窟群などが残っている。
この街を訪れる多くの観光客は、ここを拠点にエローラの石窟群、アジャンタの石窟群を目指す。
これらの世界遺産群へ行くには、空港からまず市内中心部のバス乗り場に行き、そこから観光バスに乗ることになる。
空港から石窟群への行き方
オーランガバードの空港から市内中心までは約10km。タクシーかオートリキシャーで市内に入ることが可能。
慣れない方にはオートリキシャーはおすすめしません。
メーターがあるにもかかわらず交渉で値段を決めようとしたり、わざわざ遠回りをしたり、メーターとは異なる金額を平然と要求したり、慣れない方は不快な思いをすることも少なくない。
空港のタクシーは市内までおよそ20~30分程度で到着する。
タクシーもメーターがついているが、現実には価格の交渉となることが少なくない。
オーランガバードは比較的外国人旅行者がトラブルに巻き込まれにくい街として知られているが、それでも空港を降りたって近寄ってくるタクシードライバーは、外国人と見ると、まずは通常よりもはるかに高い料金を提示してくるものです。
従って事前にだいたいの相場を知っておく必要がある。
空港からバス乗り場(シティ・バス・スタンド=CBS)まではおよそ100~500ルピーが目安。
バス乗り場からエローラの石窟群までは、朝5時~夜10時の間、1時間に1本程度ローカルバスが出ている。
乗車時間は50分~1時間。そのほか観光バスもある。
アジャンタの石窟群はオーランガバードから100km程度離れているので、2時間半~3時間かかる。
こちらもバス乗り場から日中は30分に1本程度バスが出ている。
世界屈指の壮大さを誇るエローラ、アジャンタの石窟群は、時間と予算に余裕があるなら、ガイドが遺跡を解説するツアーの利用がおすすめ。
アジャンタ石窟とエローラ石窟の地図
アジャンタ石窟
1819年、インド中部のデカン高原で虎狩りに興じていたイギリス人士官が虎に襲われ逃げ込んだ先は、なんとインド仏教美術の至宝として1983年世界遺産に登録された、アジャンター石窟群でした。
身を潜めたワゴーラー川沿いの断崖550mにわたり築かれた大小30の石窟は、インド最古の仏教石窟寺院だった。
石窟は紀元前2世紀~紀元後2世紀頃(前期)と5~7世紀頃(後期)に造営されたもので、修行の空間としてのヴィハーラ窟と、仏の聖なる空間であるチャイティア窟があり、前期窟が簡素な造りであるのに対し、後期窟には仏像が据えられ、仏教説話に題材をとったレリーフや色鮮やかな壁画で装飾されている。
後期ヴィハーラ窟を代表する第1窟は、壁や天井が壁画で覆われ、なかでも「蓮華手菩薩像」は最高傑作と称えられる。
後期チャイティア窟の集大成ともいえる第26窟には精緻なレリーフ装飾が施され、インド最大級の釈迦涅槃像が残されている。
7世紀頃になると、ヒンドゥー教の台頭とともに仏教は衰退しはじめ、アジャンターの石窟寺院も放棄され、生い茂る木々に覆い尽くされていった。
1000年以上の時をジャングルに埋もれていたため保存状態も良く、見事なレリーフや色彩豊かな壁画からは仏教文化の花開いた往時が甦り、遥か東の果てへと伝わった仏教文化の源流をここに見ることができる。
エローラ石窟
紀元後6世紀から10世紀にかけて500年にわたり仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教の僧侶たちが、幅2キロの崖に僧院、礼拝堂、寺院を彫り上げた。
エローラには34の石窟があり、そのうち12仏教窟、17がヒンドゥー窟、5つがジャイナ教窟になっている。
エローラはアジャンタとは異なり、石窟の存在が昔から知られていたため内部の壁画はほとんど残っていない。