2024年8月7日掲載

チャド

チャド

1.ウニアンガ湖群  Lacs Ounianga

ウニアンガ湖群(ウニアンガこぐん、Lacs d’Ounianga)、ウニアンガ湖沼群(ウニアンガこしょうぐん)は、チャド北東部のサハラ砂漠にある18の湖の総称で、ティベスティ山地西部からエネディ地方東部にかけての盆地に位置する。

2012年にUNESCOの世界遺産リストに登録された

チャドでは初の世界遺産である。

年降水量が2 mm以下の灼熱の砂漠地帯に位置する湖は、大きさ、深さ、成分組成、色彩などがまちまちである。

18の湖は近傍の村々の名前をもとに、以下のように分類される。

  • ウニアンガ・ケビル群(Ounianga Kébir) : 「大ウニアンガ」の意味で、最大のヨアン湖(Lac Yoan)をはじめ、ユマ湖(Lac Uma)、ミオジ湖(Lac Mioji)、フォロドヌ湖(Lac Forodone)の計4つの湖から構成されている
  • 総面積は7056 haである
  • ウニアンガ・セリル群(Ounianga Sérir) : 「小ウニアンガ」の意味で、最大のテリ湖(Lac Teli)をはじめ、ブク湖(Lac Boukou)、ブドラン湖(Lac Bedrin)、ジャラ湖(Lac Djara)、アグタ湖(Lac Agouta)、オグ湖(Lac Hogou)、エダン湖(Lac Edem)、アルジュー湖(Lac Ardjou)など計14の湖で構成される
  • 総面積は5108 ha である

これらの湖は世界中の砂漠の中でも変わった水循環の仕組みを形成している。

普通は高度に乾燥した環境で地表に水がさらされていると、ほとんどが蒸発するために塩分濃度が高くなる。

ウニアンガの場合、水深25メートル (82 ft)のヨアン湖から蒸発する量が年間に水深6メートル (20 ft)相当という膨大な量に上ろうとも、淡水湖のテリ湖を除くすべての湖を維持する独特の自然的要因が組み合わさっている。

まず第一に、地下の帯水層には、かつて湿潤だった数千年間に蓄えられてきた水があり、それが湖に供給されている。

第二に、盆地を、周辺の湖よりも低いところに位置するテリ湖を含む10の湖に分けているものは、風に吹かれた砂であり、水が透過して相互の湖を移動しうる

第三に、淡水の湖の表面にはアシが薄い幕のように覆っており、これが蒸発を和らげているが、テリ湖の表面にはそれが欠けており、結果として、テリ湖の表面ではより多量の蒸発が起こり、低水位が保たれる。

これによって、隣接する湖から、透過性の高い砂を通じてテリ湖に水が流れ込むことになり、テリ湖の淡水性が保たれるのである

湖によって青、緑または赤色を呈し、淡水湖には浮水植物および水生動物、特に魚類が生息しているが、塩湖には藻類と微生物しか生えていない。

周辺にはヤシの木、砂丘や壮大な砂岩の地形がある

住所:チャド [地図]

ウニアンガ湖群 引用:Wikipedia

ウニアンガ湖群
引用:Wikipedia

登録年: 2012年
登録区分: 自然遺産

行き方:世界遺産ウニアンガ湖沼は北アフリカをまたがる広大なサハラ砂漠の南東に位置しています。

チャドの北東部、首都ンジャメナから北東に約975kmの町ファダ近郊にあります。

定期的な交通手段がないのでツアーなどに参加するのがおすすめです。

また、日本からチャドの玄関ジャメナへは直行便がないので、タイやパリ経由で。

近隣アフリカ諸国からはフライトがあります。

外務省海外安全ホームページでは渡航中止勧告地域です。(2024年6月現在)

現地に行く時は、最新情報を確認してください。

参考URL:砂漠の中のエメラルド色の湖!チャドの世界遺産ウニアンガ湖沼群とは?

ウニアンガ湖沼に行って下さい。 S’il vous plaît, allez au lac Ounianga.

ウニアンガ湖沼はどこですか? Où se trouve le lac Ounianga ?

出典元: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

2.エネディ山塊:自然的・文化的景観  Massif de l’Ennedi : paysage naturel et culturel

エネディ山地(エネディさんち)はチャド北東部の東エネディ州と西エネディ州にまたがる砂岩の山塊で、長期間にわたる侵食によって形成された

サハラ砂漠にはアイル山地、ティベスティ山地などの山塊があるが、エネディは主要な6つの山塊の1つに数えられる

独特の地形には、かつてサハラがより湿潤だった時代の名残りをとどめる生態系が育まれており、「サハラのエデンの園」という異名を持つ

侵食により生まれた多彩な地形の自然美と、そこで育まれた生態系、さらには先史時代に描かれた岩絵群が評価され、2016年にUNESCOの世界遺産リストに記載された。

2010年代時点では、一帯には約40,000人が暮らしており、主として遊牧ないし半遊牧生活を営んでいる

英語では Ennedi Massif あるいは Ennedi Plateau と呼ばれ、日本語ではエネディ山地のほか、エネディ山塊エネディ高原エネディ台地などとも表記される。

エネディ山地の最高地点は標高1,450 メートルである

その山地には、長期間にわたる風と水の侵食の結果、峡谷、尖峰、石柱、「迷宮」、アーチ型・マッシュルーム型・煙突型などの様々な事物に似通った奇岩といった、特徴的な地形が多く見られる

その印象的な景観は、国際自然保護連合(IUCN)の専門家からも評価されている

一帯には、かつてこの地にいた人々が描いた岩絵が残されている。

その期間は約 7,000年間におよび、アルカイック期(Période Archaïque, 7,000年前 – 6,000年前)、ボヴィディエンヌ期(Période Bovidienne, 5,000年前 – 2,000年前)、カムリヌ期(Période Cameline, 2,000年前 – 現在)の 3期に分かれる

その様式は16に分類され、描かれているモチーフは1万を超える

ボヴィディエンヌ期の頃はウシやヒツジの牧畜の様子が見られ、カムリヌ期にはラクダやウマが見られるようになる

わけても人を乗せて飛ぶウマやラクダのモチーフは、ほかでは見られないものである(人を乗せずに飛ぶウマなどの例は、他地域にもある)

岩絵の表面には保護のためにアカシアの樹液がかけられており、その画材にはオークルのような無機物や卵などが利用された

サハラ砂漠にはタドラルト・アカクスのような岩絵遺跡が他にもあるが、エネディ山地の岩絵群は、その集積された規模の大きさという点で特筆される

2017年春に、アルシェイのゲルタで、来訪者によると思われる落書きによって、岩絵が上書きされている例のあることが確認された

住所:チャド [地図]

エネディ山地 引用:Wikipedia

エネディ山地
引用:Wikipedia

登録年: 2016年
登録区分: 複合遺産

行き方:観光の見どころとしては、やはり岩系の大自然がメインになり、貴重な水場には動物達が集まります。

砂漠なのでアクセスは全て4WDでのツアーで、しかも広いので10日~2週間の周遊旅行になります。

治安の問題に加え長期ツアーになるので「ンジャメナまで行って適当なツアーに申し込んで…」ということではなく、日本の旅行会社が最低催行人数を設けて募集するツアーに申し込むのが普通です。

外務省海外安全ホームページでは渡航中止勧告地域です。(2024年6月現在)

現地に行く時は、最新情報を確認してください。

参考URL:「エネディ山地①アルシェイのゲルタ」徹底ガイド 【旅の大事典】

エネディ山地に行って下さい。 Allez dans les montagnes de l’Ennedi.

エネディ山地はどこですか? Où se trouvent les montagnes de l’Ennedi ?

出典元: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』