2024年9月17日掲載
1.アイル・テネレ自然保護区 Réserve Naturelle de l’Isle Ténéré
アイル・テネレ自然保護区は、ニジェールにある自然保護区で、その名の通りアイル山地とテネレ(テネレとは現地の言葉で「何もない土地」)を対象としている。
約13000km2の厳正自然保護区を含む総面積77000km2は、アフリカに数ある自然保護区の中でも最大を誇る。
降水量の少ないこの一帯には、荒涼とした景観が広がっている。
砂漠の中心にそびえるアイル山には乾季でも絶えない水源があり、少なくとも350種の植物、160種の鳥類、18種の爬虫類、40種の哺乳類が確認されている。
その中にはパタスモンキー、レイヨウ(ドルカスガゼル、リムガゼル、アダックス)、ダマガゼル、ムフロン、ダチョウなど、サハラ砂漠とサヘル地域の固有種や絶滅危惧種などが含まれており、アヌビスヒヒ、ケープハイラックス、カラカル、ハイエナ、フェネック、オジロスナギツネ、チーターなども見られる。
特にアダックスの保護区としての側面が大きい。
植生はステップ、乾燥な低地および水が豊富な谷に分布している。
ステップではアカシアのVachellia flavaとVachellia tortilis、エジプトバルサム、Maerua crassifolia、低地ではPanicum turgidum、Stipagrostis vulnerans、谷ではドームヤシ、ナツメヤシ、アラビアゴムモドキ、Vachellia tortilis、Boscia senegalensis、Salvadora persica、Stipagrostis vulneransなどがそれぞれ生えている。
1988年に自然保護区に指定された際、政府はこの地での狩猟、伐採、さらには商品の輸出を一切禁止した。
元々この地に住んでいたトゥアレグ族の反発が強くなったことから、更なる保護のために1991年にユネスコの世界遺産に登録された。
しかし、かえって反発が激化し内戦に発展したため、翌年には危機遺産に登録された。
また、1997年に生物圏保護区に登録された。
住所:PVC9+QGG ニジェール [地図]
登録年: 1991年
登録区分: 自然遺産
行き方:ニジェールの観光の起点は、首都ニアメです。
日本からニジェールへは直行便がありません。
イスタンブール、パリ、ドーハとカサブランカ、ヨーロッパなどを経由して、ニジェールの首都ニアメのディオリ・アマニ国際空港まで行きましょう。
ニアメから、空路でアガデスのマノ・ダヤク国際空港にアクセスします。
テネレ砂漠の中でも最も美しい砂丘地帯とされるアラカウは、アガデスから約260km北東に位置しています。
※2018年4月現在、外務省の海外安全情報において「アイールとテネレの自然保護区群」が位置するニジェールのアガデス県全土には、危険度「レベル4」が発令されています。
危険度「レベル4」は退避勧告ですので、現在は残念ながら渡航できません。
旅行を計画している方は、最新の危険情報を確認してください。
外務省海外安全ホームページでは退避勧告地域です。(2024年7月現在)
現地に行く時は、最新情報を確認してください。
参考URL:サハラの宝石!ニジェールの世界遺産「アイールとテネレの自然保護区群」
テネレ砂漠に行って下さい。 Partez pour le désert du Ténéré.
テネレ砂漠はどこですか? Où est le désert du Ténéré ?
出典元: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2. W=アルリ=ペンジャリ国立公園複合体 W = Complexe du parc national Aruri-Pendjari
W・アルリ・パンジャリ自然公園群(ドゥブルヴェ・アルリ・パンジャリしぜんこうえんぐん)は、ニジェール、ベナン、ブルキナファソにまたがる自然保護区群を対象とするUNESCOの世界遺産リスト登録物件である。
西アフリカの生態系と生物多様性に関し、顕著な普遍的価値を有するものとして登録されている。
最初に登録されたのはW国立公園である。
これは1954年にフランス領西アフリカに設定された国立公園で、ニジェール、ベナン、ブルキナファソの独立によって3か国がそれぞれ別個に管理する国立公園となっていた。
「W」の名は、ニジェール川がW型に湾曲している地域に設定された国立公園であることにちなむ。
そのW国立公園のうち、ニジェール領内のみがまず推薦され、第20回世界遺産委員会(1996年)で審議された。
しかし、世界遺産委員会の諮問機関である国際自然保護連合 (IUCN) はその顕著な普遍的価値を否定していたため、審議は紛糾し、投票に持ち込まれた。
その結果、規定にある3分の2以上の賛成票を得たことから、「ニジェールのW国立公園」の名で世界遺産リストに登録された。
W国立公園がベナン、ブルキナファソにもまたがっていることや、それらの国々の他の国立公園にも近接することから、それらの連携を望む意見は、登録まもない頃から出ていた。
しかし、その頃には連携して管理に当たろうという動きはなかった。
その後、21世紀に入ると、ベナンはW国立公園の自国領部分を、パンジャリ国立公園と併せた「パンジャリ国立公園とW国立公園」(Pendjari and W National Parks)として、新規に推薦した。
しかし、IUCNはこれらの国立公園のみでは顕著な普遍的価値が示されていないとし、「ニジェールのW国立公園」の拡大案件として再考するよう、「情報照会」を勧告した。
そして、2002年の第26回世界遺産委員会では、勧告通りに登録は見送られた。
なお、W国立公園の世界遺産としての範囲に変化はなかったものの、この年には「ニジェールのW国立公園」の生物圏保護区の指定が、ベナン、ブルキナファソ両国まで拡大されている。
ベナンのパンジャリ国立公園は、2011年には「ニジェールのW国立公園」の拡大案件として第35回世界遺産委員会で審議されたが、ブルキナファソの自然保護区も含めた範囲の再考などを指摘され、IUCNからは「登録延期」を勧告されており、委員会審議では勧告どおりに「登録延期」決議となった。
W国立公園のブルキナファソ領内の部分や、アルリ国立公園も含めた推薦はようやく2016年に実現した。
これに対しては、IUCNも拡大承認を勧告し、勧告通りに第41回世界遺産委員会(2017年)での登録が実現した。
文化遺産しか保有していなかったベナンとブルキナファソにとっては、初の世界自然遺産となった。
アフリカでの3か国にまたがる自然遺産は、サンガ川流域の3か国保護地域(2012年)以来2件目である。
住所:9923+2X9, La Tapoa, ニジェール [地図]
登録年: 1996年
登録区分: 自然遺産
行き方:ニジェールの観光の拠点は、首都ニアメです。
日本からニアメまでは直行便がありませんので、パリなどのヨーロッパ、またはドバイ経由でニアメに向かうことになります。
W=アルリ=ペンジャリ国立公園複合体は、首都ニアメから南に約130kmのベナン国境地域に位置します。
首都ニアメからは陸路でアクセスします。
ニアメ発のツアーが出ています。
外務省海外安全ホームページでは退避勧告地域です。(2024年7月現在)
現地に行く時は、最新情報を確認してください。
参考URL:ニジェールの世界遺産、W=アルリ=ペンジャリ国立公園複合体の見どころ
W国立公園に行って下さい。 Veuillez vous rendre au parc national W.
W国立公園はどこですか? Où se trouve le parc national W ?
出典元: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
3. アガデス歴史地区 Centre historique d’Agadez
アガデス(フランス語: Agadez)はニジェールのアガデス州の州都。
ニジェール北部で最大の都市で、2012年の人口は約11.8万人。
サハラ沙漠の中にあり、トゥアレグ族の支族のひとつアイル人の中心地である。
この町の始まりは14世紀以前のことで、サハラ交易の拡大とともにアソデに代わりトゥアレグ人の町としての重要性が徐々に高まった。
この町ではいまでもビルマから塩を運ぶ隊商の到着をみることができる。
1449年以後、アガデスはスルタン制をとったが、1500年頃にソンガイ帝国に征服された。
この時点でこの町の人口は30,000人ほどあり、西アフリカのカノやトンブクトゥと、北アフリカのオアシスであるガートやガダミス、地中海岸のトリポリを結ぶ中世の隊商交易の重要な中継点であった。
モロッコからの侵略を受けた後人口は10,000人を割った。
1900年ごろこの町をフランスが手中に収めた。
その後、トゥアレグ人貴族のKaocen Ag Mohammedが反乱を組織して一時期優勢に立ったが、フランス軍は1916年にこれを叩き潰した。
のちに1990年代にはアガデスはトゥアレグ人による反乱の重要拠点のひとつとなった。
アガデスは「アガデス歴史地区」との名で、2013年、UNESCOの世界遺産リストに登録された。
現在、アガデスは商業市や周辺で採掘されるウランの輸送基地として栄えている。
主要な建築物には1515年に建設され1844年に同じ様式で建て直された大モスクや、Kaocen Palace(現在はホテル)、およびスルタン宮殿がある。
またこの町はラクダ市や銀細工、皮製品でも知られる。
アガデス国際空港はこの地域のトゥアレグ社会の指導者マノ・ダヤクの名称を冠している。
住所:XXFQ+J46, Agadez, ニジェール [地図]
登録年: 2013年
登録区分: 文化遺産
行き方:アガデスのマノ・ダヤク国際空港へは、ニジェールの首都ニアメーから飛行機が出ています。
ただし、毎日便があるわけではないので注意してください。
空港から世界遺産の歴史地区までは、徒歩でも行ける距離です。
ニアメーのディオリ・アマニ国際空港への日本からの直行便はないので、イスタンブールやアジスアベバなどを経由して行くことになります。
外務省海外安全ホームページでは退避勧告地域です。(2024年7月現在)
現地に行く時は、最新情報を確認してください。
参考URL:土の文化を継承するオアシス都市!ニジェールの世界遺産アガデス歴史地区
アガデス歴史地区に行って下さい。 Rendez-vous au centre historique d’Agadez.
アガデス歴史地区はどこですか? Où se trouve Centre historique d’Agadez ?